2011年 05月 26日
小鹿田の里 |
本当はもっと早くにご紹介するべきでしたが・・・
「一子相伝」を貫く小鹿田焼。
まさに今回の「うけつがれゆくモノ」展に相応しいのもです。
「小鹿田焼」は「おんたやき」と読みます。
大分県日田市皿山の小鹿田焼の里で江戸時代から続く焼きものです。
江戸時代中期に筑前の国小石原焼から陶工・柳瀬三右衛門を招いて、
地元の大鶴村の黒木家・坂本家の協力で
開窯(かいよう)された李朝系登り窯から生まれるた素朴な普段使いの器です。
開窯して約300年。
江戸時代からいまに至るまで、全工程を手仕事で、
開窯当時の技法そのままに「一子相伝」の家業として
その伝統と奥義を受け継ぎ守っています。
現在も10軒の窯元が伝統を守り続けています。
すり鉢。ごまが良くすれると大変評判です。
小鹿田の里の地に着くと、あちらこちらから「ギー、コトンッ」と言う
陶土をうつ唐臼の音が聞こえてきました。
小鹿田焼の窯は登り窯です。
山の斜面を利用して作られており、一基の窯には幾つかの燃焼室があります。
れんが造りの煙突からもうもうと上がる煙、そして燃え盛る窯の火は壮観。
窯に火が入るのは約2か月に一度で、
窯に火を入れると窯元のみなさんはつきっきりで窯の火の番をします。
焼く時間は約60時間。
焼いたあとはまる2日間おいて、作品を取り出すということです。
外から見た登り窯
山と川、自然と人との深いつながりを感じさせる素朴であたたかい焼きものです。
by churara-e
| 2011-05-26 20:04
| 企画展